おそらく、ほとんどの人がうなぎの刺身を見たことはないでしょう。なぜなら…
実は、うなぎは刺身で食べることができません。
うなぎの血には、人間にとってとても強い毒性が含まれているためです。間違って目に入ると激痛を伴うそうです。一部ではうなぎの血を薬の原料として使うこともあるようですが、それ以外では人間にとっては不要なものとされているのです。しかし、この毒性は熱に弱いため、うなぎは火を通した蒲焼きなどのように調理されて食卓にのぼるわけです。
ちなみに関西風の蒲焼きは「腹開き」。商人文化が栄えた大阪では「腹を割って話す」というところに縁起を担いだようです。それに対して関東の蒲焼きは「背開き」。腹開きは「武士の切腹」を暗示させるため、このような調理法が広まったとされているようです。