昼夜営業する一般的な飲食店の場合、利益率は30%がベースと言われています。
しかし、激安化が進む居酒屋業界では50%が理想。
これを達成するには、お店を訪れる酔っ払い客に対して上手にメニューをお勧めする必要があるのです。
一軒目で来店するお客様についてはメニューを選ぶ意思がありますよね。しかし、二軒目、三軒目である程度お酒がまわったお客様は、ほぼ「これが飲みたい」「あれじゃなきゃいやだ!」というこだわりがありません。
そこで、お店のおすすめとして原価率が高く、かつ食べやすいメニューを提案することをお勧めします。
泥酔客でもつまみやすい上にお店の利益率達成にも貢献できる。いわば一石二鳥の接客方法です。
まずは焼酎で時間を稼ごう
居酒屋で最も原価率が低いメニューは、言わずと知れたアルコール、特に「甲類」です。
甲類は酒屋でおなじみの大衆向け焼酎で、一般家庭向けに販売されている酒類の中で最も安価な部類に属します。
「大五郎」「かのか」「大樹氷」などの4リットル入りペットボトルで愛好している方も多いでしょう。
人工的に製造されたアルコールであるために風味などは期待できません。
その分、ジュースで割ったりお茶やスパイスをブレンドしたりと、メニューの種類を稼げます。
1杯あたりの原価はどんなに高くてもおよそ70円程度。
売値が400円から450円と想定すると、原価率は17%から15%。
驚きの原価率で居酒屋経営に貢献できますね。
お客様が泥酔の段階に突入する前にすかさずおつまみメニューを提供しましょう。
焼き鳥のおすすめは「皮」と「ハツ」
日本人ならほとんど誰でも大好き!
焼き鳥ならば酔っ払い客もちびちび食べながら飲んでくれるでしょう。
とはいえ、うっかり「モモ」や「ネギま」を多目に選んでしまうと利益率アップにはつながりません。
焼き鳥で原価率が低いのは内臓系の「ハツ」や「皮」
お任せで盛り合わせにするのであれば、「モモ」「ネギま」を各1本にして、「ハツ」「皮」を各2本にするなど、工夫して原価率を抑えましょう。
ちなみに、「モモ」の原価率は30%がベース。これに対して「ハツ」「皮」は7%程度に収まっています。
ある程度酔っぱらったお客様ならば歯に優しいメニューを喜ぶものなので、柔らかくジューシーな「皮」はきっと歓迎されるはずです。
「枝豆」は居酒屋の利益率に貢献し、客の胃袋をいたわるメニュー
お通しとしても定番な「枝豆」は、お店で加工する手間がないために原価率を抑えられるメニューでもあります。
そして、同時に酔っ払い客の身体をいたわり、「悪酔い」「二日酔い」を少しでも遠ざける食品でもあるので、そのお客様がリピーターになって売り上げに貢献してくれるようにお出ししましょう。
店への利益還元、お客様への思いやり、そして店員の手間を省くのにうってつけのメニューです。
特に酔っ払い客の増える深夜は人の手が足りなくなるので、枝豆や冷奴、タコワサなどの手間がかからないメニューを常に原価率計算しながらおすすめ出来れば、売上アップと同時に忙しさの軽減につながります。
酔っ払い客だからこそ喜ぶであろう原価率の低いメニュー。これから深夜の勤務に入る時にはぜひ活用してみてください。