よくテレビなどでお味噌汁やおでんなどの具材でどれが好きかアンケートをとったりしているのを一度は見たことがあるのではないでしょうか。
そんなアンケートでも大根は必ずと言っていいほど上位に入ります。大根はそれくらい私たちに馴染み深く、当たり前に食されている物です。味が染み込むため肉じゃがなどの家庭的な料理で食べたという方が多いため、大根はどちらかというと甘い食べ物だという認識が高いのではないでしょうか。
しかし、大根おろしなどはどうでしょうか。薬味を加えていないはずなのにピリッと辛いですよね。これは一体なぜなのでしょうか。
今回は大根のちょっとした疑問を調べました。
大根はおろすと辛くなる!?
短冊に切った味噌汁の具、薄味で柔らかく吹いたふろふき大根、おでん汁が染みた鍋底大根など、大根は様々な料理に使われますが、これらはどれも辛くないですよね。つまり、「切っただけの大根には辛みが存在しない」ということになります。
では、なぜ大根はおろすと辛くなるのでしょうか?その原因は「擦りおろす」という行為に隠されています。
大根に含まれる酵素は約100種類以上。その中で人間に影響する酵素は7種類ほどあります。その中のひとつの「ミロシナーゼ」が、辛味を発生させる酵素なのです。
まず、大根をおろすと大根の細胞が壊れ細胞膜が破けます。すると、この細胞から「グリコシノレート」という物質が出てくるのです。これに先ほどの「ミロシナーゼ」がくっつくと、辛味成分である「イソシオチアネート」が誕生します。これが大根おろしを辛くする張本人です。
また、「グリコシノレート」と「ミロシナーゼ」は大根の下の(葉っぱではない)部分に多いとされています。
◆おろし方
大根の辛味を得るためには細胞を効率よく壊すことが必要です。包丁で切断した大根の面の繊維を断ち切るようにおろすと辛味が増します。長手方向に対して直角に円を描くようにおろすと良いでしょう。ちなみに辛い大根おろしには夏大根が適しています。