今やメールやSNSが主流だからこそ手紙の良さが見直されています。
飲食店でも常連さんに手書きのお手紙を出す、なんてこともありますよね。
でも「手紙」というのは、なかなか書くのがむずかしいものですね。
日常的な連絡やお礼はメールでやりとりするのが当たり前となった現在でも、たとえば結婚式の後のお礼状や、お世話になった方への就職の報告など、どうしても「手紙」を書かなくてはならない場面があります。
「拝啓」と書いたのはいいのですが、次にどう書き出していいか分からない・・・。そんな経験はありませんか。そんなときはお決まりの「時候のあいさつ」を書くことで、意外とスムーズに後が続いていくものです。
覚えておきたい手紙のマナーの中でも、今回は「時候のあいさつ」についてご紹介します。
手紙には「時候のあいさつ」があります。
手紙やはがきなどを書く際には、文章の冒頭にまず「拝啓…」などの「前文」といわれるあいさつの文章を書きます。それに続いて季節や天候に基づいた時候のあいさつを使用する、というルールがあります。
例えば5月なら「新緑の候・若葉の折・風薫る季節」、6月では「初夏の候・梅雨の候・向暑の候・ようやく梅雨もあがり」といったように、月によってそれぞれ違います。
暑さもいよいよ厳しくなる7月は「盛夏の候・猛暑のみぎり・梅雨明けの待たれる季節」、
暦の上では秋を迎える8月なら「残暑の厳しい季節・残暑の候・晩夏の候」など。
まだまだ日差しの強い9月上旬は「初秋の候」秋の気配の近づく中旬なら「爽秋の候」朝晩の冷え込みを感じる下旬では「秋冷の候」など、細やかな使い分けもあります。
寒くなり始めた11月なら「初冬の候・晩秋の候・向寒のみぎり」
これが1月にもなれば「新春の候・厳寒の候」となります。
親しい方には自分らしい表現をプラス
以上のようなかしこまったあいさつだけではなく、親しい方への手紙には「かき氷のおいしい季節」「ひざ掛けが手放せない季節」などの少しくだけた表現もよいでしょう。
季節の風景を切り取って、人柄や気持ちを伝えてくれる「時候のあいさつ」は、送る方との距離を縮めるきっかけとなってくれるでしょう。
言葉を効果的に使い分けることで、心のこもった上手な手紙を書けるようになりましょう。