賞与にも社会保険料がかかる?
賞与は年2回夏と冬に支給されることがスタンダードですが、最近では年3回や4回も珍しくはありません。賞与が年3回まで支給される場合、社会保険料は賞与自体にかかります。そのため、賞与から社会保険料が引き落とされるのです。ですが、年4回になると賞与からは社会保険料は落とされず、給与から引き落とされるようになります。つまり毎月の社会保険料の額が増えるのです。
同月内で入退社したら?
入社した後にすぐ退社するというパターンも人によってあるでしょう。同月内でそういったことが起きた場合、厚生年金と国民年金も払わなくてはいけません。普通は月の途中で退社することになっても、入社月と退社月が違うため、退職した月の健康保険料や厚生年金はかかりません。国民年金に加入するか否かは当月の最終日に決まります。国民年金には2パターンあり、自営業や学生、無職の人など企業に所属しない人を第1号被保険者。サラリーマンや公務員を第2号被保険者としています。このうち第2号被保険者は厚生年金以外支払う必要がありません。入退社した月は厚生年金の被保険者ではあり、国民年金第1号被保険者でもあるのです。このため、国民年金と厚生年金どちらも支払う必要が出てきます。
試用期間中とは?
試用期間は社員として適格かどうかを判断する期間です。
就職後、本採用の前に一定の試用期間を設ける職場が数多くあります。試用期間の間は給与も変動が出ることが多々あります。例えば試用期間中は時給制で、本採用後は月給制という場合は違法にはならないのでしょうか。試用期間中の労働条件は法で明文化されていません。なので、試用期間中は時給でも特に問題はないのです。ですが、試用期間中でも社会保険の加入は必須となっています。また有給休暇の日数計算も試用期間からスタートしています。試用期間が6か月だった場合は、試用期間終了後すぐ有給休暇の権利が出るのです。
試用期間があるのは役職がない社員のみのように思えますが、企業によっては店長も試用期間があります。役職があってもなくても試用期間を設けて構わないのです。
代休とは?
「代休」とは「振替休日」と同じように見え実は全く違うものです。「振替休日」は休暇と設定されていた日を前もって労働日にし、「振替」で別の日を休暇とすることです。これは休日がずれただけのことと捉えられるので「休日労働」とは認められず、割増賃金は発生しません。「代休」は休暇とされていた日を前もって労働日としていなかった場合の休みとなります。この場合、当然労働日も「休日労働」とみなされ、休日労働分の賃金がもらえます。
残業は違法?
労働基準法では基本的に1日8時間、1週間40時間以内を超えて働かせると違法となります。ですが、大小問わず日本にはまだまだたくさんの残業を実施している企業があります。残業はある3つの条件をクリアすれば許可されるのです。1つは36協定(通称:サブロク協定)。労働組合と雇用主が協定を結んでいれば労働時間の延長も許可される、というものです。2つ目は「契約上の根拠」で、主として就業規則が根拠になります。そして残業するにあたって当然ながら割増賃金(通常の25%以上)も支払わなくてはなりません。この3点が揃ってはじめて残業は適法となります。
ペナルティは違法?
「〇〇したら罰金〇〇円」、といった特殊なペナルティが課せられるお店もあるかと思います。例えばタイムカードを押し忘れると1度につき罰金500円を請求されるお店があったとします。これは違法でしょうか。まず、タイムカードを押し忘れると、職場の規律を乱したとして懲戒処分を受ける対象になってしまいます。つまり罰金という懲戒処分を受けても支障がない、ということになるのです。罰金は減給に値します。労働基準法で減給の適正な価格は懲戒処分に値する1案件につき1日の半額以内。また罰金の総額は1賃金の10分の1以内と定められています。500円ならもちろん減給の適正価格を超えていないので、適法と言えるのです。
また、遅刻も会社によってはペナルティが発生します。例えば遅刻1~2回は大目に見てもらえるけれど、3回目以降は欠勤扱いになるといった内容はどうでしょう。欠勤扱いということはつまり、その日の賃金丸一日分が出なくなるということです。先述した通り、減給は1案件につき1日の賃金の半額までとされています。遅刻3回なので3案件、合計1.5日分の減給が適格とされる場合もあります。が、遅刻2回までは案件としてカウントせず、遅刻3回目からカウントして1案件とすると0.5日分の減給しか許されません。カウントの仕方で違反になる良い例と言えます。