海洋深層水とは?
海洋深層水とは、水深200メートル以上の深海を流れる海水のことをいいます。それより上の海水のエリアのことは表層と呼ばれています。深層水の起源は大まかに2種類、南極とグリーンランド沖で発生するとされています。冷やされた海水の一部が凍結して塩分濃度が高くなり、重くなって海底深くに沈んでいきます。沈み込んだ海水は約2000年という長い年月をかけて、大西洋、インド洋、太平洋などをめぐり、地球規模で循環しています。これをくみ上げたものが海洋深層水です。
メリットは?
太陽光の届かない深海では光合成が行われないので、窒素やリンなどの無機栄養物質が豊富。他のミネラル分もバランスよく含まれています。そのうえ、表層水とは混ざらないので、大腸菌などの細菌や化学物質にも汚染されていません。また、一定の温度でキープされているため水質も良好なことも特徴です。
アクアファーム
メリットづくしの海洋深層水ですが、具体的にどういったことに利用されているのでしょうか。海洋深層水は日本の各地はもちろん、ハワイなどでも研究が盛んです。特に地形の関係上、他のエリアよりも簡単に海洋深層水を獲得しやすい高知県・室戸では様々なことが試みられています。
「アクアファーム」という施設もその一環です。ここでは海洋深層水の機能を研究し、食品や美容のみならずエネルギー資源としても利用できないか開発されています。実際、最先端医療や地域活性化などに大きく貢献しているのです。
海洋深層水のイベント施設
海洋深層水のメリットが分かるようになり、スパなどリゾート施設でも海洋深層水が利用されるようになっています。先ほど紹介した室戸でも「星野リゾート ウトコ オーベルジュ&スパ」では海洋深層水のプールを利用できます。
また、沖縄県の久米島も海洋深層水の開発に力を入れており、「バーデハウス」という海洋深層水を利用したスパリゾート施設があります。
静岡県伊東市の赤沢では化粧品で有名なDHCが運営する複合商業施設「赤沢温泉郷」があります。商業施設の一つに海洋深層水をふんだんに取り入れた「赤沢スパ」があり、プールや複数のスパの他、DHC商品を取り入れた直営ショップも設置されています。