降雨量は全国5位、でも水不足?
沖縄は断水が多い、と聞くと「どうして? 沖縄って梅雨入りも早くて台風もたくさん通るし、雨はたくさん降るのでは?」と、思う方もたくさんいると思います。多くの離島からなる沖縄にとって最も大きな水資源は、5~6月の梅雨と、夏から秋にかけての台風による雨によります。確かに降雨量は全国平均からしても多いのですが、かわりに人口密度が高いため、年間の降雨量を県民一人当りになおすと全国平均の約半分程度しかありません。また、川が少なく短いため、降った雨の多くは海に流れてしまう、いうのが理由としてあるようです。
一般家庭も屋根に給水タンク
そのため、沖縄の各家庭では断水に備えて屋上や屋根に1トンほどの容量がある水タンクを備え付けているのが多く見られます。初めて目にする人は、何だろう? と思うでしょうね。古くは昭和56年7月から昭和57年6月までに実施された326日間にわたる給水制限の記録もあり、記憶に新しい所では昭和63年から平成元年の160日にも及ぶ給水制限もありました。ただ最近では、ダムや海水を淡水化する施設が整備され、水事情がよくなって給水制限になることが少なくなりました。
全国で一番「水道水を飲まない」沖縄
また、沖縄の人は、全国で一番「水道水をそのまま飲まない」という調査結果もあります。住民は水道水を利用する場合もいったん沸かしたり、スーパーで提供される浄水をボトルに詰めて持ち帰ったり、ミネラルウォーターを購入したり、浄水機を使用するなど、飲料水には何らかの対策をとっている方がほとんどです。
なぜ沖縄の水は「美味しくない」といわれるのでしょうか?これは沖縄県の水の硬度が全国一高いことが理由として考えられます。沖縄は地質的に石灰岩層で覆われており、蓄えられたカルシウムやマグネシウム等のミネラル分が地下水の中に溶けだすため、水の硬度は高くなります。硬度が高い水は慣れない方にとってはのど越しが重く、口当たりも悪く感じます。そこで沖縄県企業局は平成15年に県内の北谷浄水場内へ「硬度低減化施設」を導入しました。それから、沖縄県の水の硬度も84mg/l程度に抑えられていますが、全国平均の50.9mg/lからするとまだまだ「飲みにくい」味に感じるようです。