水餃子、一人30個は当たり前!
日本では“焼き餃子”をご飯のおかずとして食べるのが一般的ですよね。実は中国全土では“蒸し餃子”を食べることが多く、また北京から北の地方では“水餃子”が主流です。北京ではひとつの家庭で一食に100個以上(一人あたり20?30個)作り、「餃子」を主食としてたっぷり食べます。これは北部が稲作に不向きな気候のため、米を主食とする地域ではないためと考えられます。一方、米を主食とする南部は?というと、薄めの皮で包んだ小ぶりな水餃子や蒸し餃子を、主食ではなく飲茶のときに食べます。
ちなみに中国にも焼き餃子は存在します。台湾でよく食べることのできる「鍋貼(グオティエ)」というメニューです。形は半月型ではなく、手打ちの皮で細長い筒状に餡を包んであることが多く、鉄の鍋でカリカリに焼きます。また家庭では、あまった水餃子を温めなおして食べる目的で焼き餃子にすることもあるそうです。
こんなに違う!日本と中国の餃子
古くから中国では「餃子は皮を食べるもの、焼売は餡を食べるもの」といわれています。このため、まず皮の厚さが違います。日本では市販されている薄い皮がポピュラーですが、中国では餃子を包む皮は各家庭で手打ちされ、もちもちした触感の厚めの形状です。餡は日本では豚ひき肉、白菜、ニラ、キャベツあたりが一般的ですよね。一方、中国では主食にあたる料理のためバリエーションは多様ですが、具材はシンプルに2つの材料を組み合わせて使います。豚肉と白菜、羊肉とセロリ、豚肉とニラ、卵とトマト、いかとセロリ、えびと白菜・・・などなど。各家庭に伝承の味があり、組み合わせは無限です。また、日本では餡にニンニクも入れることもありますが、中国では餡には入れません。ゆで上げた餃子に添える醤油やお酢に、砕いた生ニンニクを加えることはあります。
「年越し蕎麦」ならぬ「年越し餃子」
中国では餃子は縁起の良い食べ物とされています。餃子の形となっている半月型は、通称「馬蹄銀」といわれる銀貨を形取ったものといわれています。また、餃子の発音が子宝に恵まれる意味を持つ、「交子」と同じ「チャオズ/ジャオズ」であることから、金運・子宝を願う意味を持ちます。北京など中国の東北地方では、大晦日には「更歳餃子」と呼ばれる年越し餃子を食べる風習があります。餃子づくりは家族全員で行い、その際いくつかの餃子にきれいに洗った小銭を入れて包みます。小銭入りの餃子が当たった人は、金運に恵まれた一年を過ごせるといわれています。日本の年越しそばと同じく、家族の幸せを願った大切な行事なのです。