疲れが取れない…そんな時はビタミンB1を!
疲れが残る、物忘れが激しい、手足がむくむ、そんなお悩みはありませんか?実はこんな症状がでてきたら「ビタミンB1」が不足している可能性が高いと思われます。
ビタミンB1には効率の良いエネルギー生産を助け、脳や神経の働きを正常に保つ働きがあり、心身を健やかに整えるために欠かせない栄養素です。
人間の体にとって必要といわれるのが「脂質」「糖質」「炭水化物」。この「三大栄養素」からエネルギーを作り出すのが「微量栄養素」の役割です。この微量栄養素の一つである、ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変えることが出来ないため、乳酸などの疲労物質がたまりやすくなり、疲れがなかなか取れにくくなってしまうのです。
しかしこのビタミンB1、なかなか食事で摂りいれにくいと言われています。水溶性であり、加熱で分解され、さらに水道水の塩素によっても破壊されてしまう上、吸収しにくいという困った性質を持っています。また、糖質を分解するときに大量に消費されてしまうので、お酒を飲む方や甘いものが好きな方は要注意です。
ビタミンB1の摂り方のコツ
スポーツをする方は特に、運動で消費するエネルギー量と比例して、ビタミンB1の摂取も必要になります。不足すると疲労を感じたり、回復が遅れたりします。また、筋肉痛を感じた時にも、ビタミンB1を摂取すると回復が早まります。1日に必要なビタミンB1の推奨摂取量は、成人男性ですと1.4mg、成人女性では1.1mgになります。
ビタミンB1は過剰に摂取しても体外に排出されてしまうので、副作用などの心配はありません。不足すると集中力がなくなったり、イライラしがちになりますので、ぜひ意識して摂取することをおすすめします。
なんといっても豚肉がおすすめ!
実はビタミンB1が大量に含まれる食品はそれほど多くはありません。玄米や小麦胚芽、うなぎ、ひまわりの種に多く含まれますが、なかでも一番摂りいれやすい食品が「豚肉」です。豚肉にはビタミンB1が100gの中に約1mgと、豊富に含まれています(生の場合)。摂取量で考えた場合、たとえば豚生姜焼きを1人前食べればクリアできる数値です。これは牛肉と比べると、何と10倍もの含有量になります。部位別にみると、モモとヒレが一番多くなります。
ただし、ビタミンB1を効率よく食事から摂取するには調理方法に注意が必要です。ゆでたり、長時間煮ることで肝心のビタミンB1は半分以上が失われてしまいます。このため、揚げたり、炒めたり、弱火で火を通し、ゆで汁につけておくなどの調理方法がおすすめです。
また、アリシンはにんにく・玉ねぎ・長ねぎ、にら等に含まれる「アリシン」という栄養素と一緒に摂ることで、ビタミンB1はより活性化します。さらにこれらの食材と豚肉を一緒に調理することで、アリシンはビタミンB1と結合して「アリチアミン」という物質に変化します。アリチアミンは脂溶性のため体内長くとどまり、水溶性のビタミンB1より効率よく栄養素を吸収できる、というメリットもあります。
理想的な献立は「豚肉の生姜焼き」
結論として、一番のおすすめ献立は「豚の生姜焼き」。豚肉をたっぷりの玉ねぎと炒めあわせることで、ビタミンB1のパワーを余すことなく体に蓄えることができますよ。とんかつを食べるなら、ロースよりヒレのほうがおすすめ。長ねぎの味噌汁やオニオンスライスと一緒にどうぞ。
忙しくて自炊が出来ない…そんな方はハムでもいいでしょう。実はハムにはレバーや玄米よりも多くのビタミンB1が含まれています。塩分が気になる方は、減塩のものを食べることをおすすめします!