「飲食業界専門求人グルメキャリー×就活生のための飲食業界研究+企業紹介エフラボ」では2017年6月22日、銀座オレンジルームにて、企業に向けた「留学生のための合同説明会」を開催しました。参加対象は過去に就労ビザで留学生採用をした実績のある企業中心と、日本の大学・短大・専門学校に在学中の留学生です。今回の参加企業は7社、来場した留学生は43名となり、留学生たちは勤務形態や採用について各企業の採用担当者から詳しく説明を受けました。
開催に至る背景とは?
厚生労働省が6月30日発表にした2016年5月の有効求人倍率は1.49倍と、43年ぶりの高さを記録しています。「慢性的な人材不足」がいわれて久しい飲食業界において「人材確保」は、ますます頭の痛い問題となっています。
新卒採用においても、「昨年(2016年)のようにはいかない」という企業の声も多数聞こえてきます。
●留学生採用に目を向ける企業も増えてきていること
●留学生の中でも飲食店で働きたい希望を持つ学生は増えていること
●学校側からも留学生の就職相談を相談を受けること
このような飲食業界の求人市場をとりまく現状をふまえ、企業・留学生双方が理解を広げ、新卒採用を進める狙いで、今回の説明会を開催するに至りました。初めての開催ということもあり、まずは実際に顔を合わせて、「アルバイトから始めること」を目標に、企業と学生が直接に対話できる場を設定しました。
参加企業のナマの声を一部ご紹介!
K社 (寿司業態)
今後選考に進んでいく人数 7名
「十分手ごたえを感じました。次回も出展を希望します。」
W社(クラフトビア等)
今後選考に進んでいく人数 2~3名
「留学生の日本語力や意識が高く大変感心しました。まずはアルバイトから入ってもらいたい方も多数。今後につながりそうです。」
F社(中華料理)
今後選考に進んでいく人数 2名
「十分手ごたえを感じました。」
R社(ホテル)
今後選考に進んでいく人数 2名
「今まで留学生対象の飲食系イベントがなかったので出展して良かったです。」
飲食企業がもつ、留学生に対する印象とは
今回の説明会に参加したような「留学生採用を積極的に行う企業」は、業界ではまだまだ稀少な存在です。飲食企業の多くは、まだ留学生の新卒採用に対して消極的なところが多いのが現実です。
「過去に留学生採用をしてみたが、すぐに辞めてしまった」など、留学生に対して良くない印象を持つ企業もあります。
また留学生を採用したいと思っている企業でも、ビザに対する知識や理解が少ないことが理由で、採用に至らない企業も存在します。
しかし、冒頭であげた「国内の人材を確保できない」という現実からも、今後、留学生採用を試みる企業は増えていくことが予想されます。
「留学生の新卒採用」に向けての展望
「日本人の採用が難しいから、外国人でもいい。」
このような思考では、人材問題についての根本からの解決につながりません。
むしろ画一的な扱いが留学生からの不信を生み、そのような企業は就職先として選ばれなくなってきます。
文化の違いやコミュニケーションは確かに難しい問題ではあります。しかしその部分のみをクローズアップして留学生を一括りに考えるのではなく、「一人ひとりの個性を見極め、優秀な留学生を探す方法を探っていくことに力を注ぐ」ことを始める方がよりポジティブな採用活動につながるのではないでしょうか。
企業での留学生の新卒採用は「多言語対応力が高い」「会社のグローバル化にも適応できる」「優秀な若手人材を確保できる」として、一部企業を中心に少しずつ広がりを見せています。しかしほとんどの企業がまだ取り組んでいないことを考えると、早く取り組みを始めることで得られるアドバンテージは特に大きいと考えられます。
2050年には日本の人口は8000万人(今の4割減)になるという話が巷で広がっているように、日本の人口減少は避けられない現実です。インバウンド消費や、海外展開、またそれに伴う人材確保を考え、企業の成長を維持していくことを考えると、留学生採用は企業成長のための切り札の一つになっていくでしょう。