先日、某有名中華料理店で社員として勤務する外国人スタッフが摘発、更には経営者が逮捕というニュースが業界で話題になりました。
理由は「資格外活動」。彼ら、外国人労働者は「技術・人文知識・国際業務」のビザで滞在していましたが、実際にはそれらに当たらない、単純労働(接客や調理)の仕事をしていたために摘発されたのです。
少し語弊があるかもしれませんが、これまでの飲食業界では当たり前のように行われてきました。飲食店では同じ母国を持つスタッフのマネジメントや、母国インバウンド向けのマーケティング、通訳等の業務があるとされるため「技術・人文知識・国際業務」ビザは取りやすいのです。
ただ、実際にはこれらの業務はほとんど行わず、現場業務ばかりしていたという実態がありました。今回の事件は、今までの「グレーゾーン」が「グレーではなく黒なのだ」ということで話題になりました。さらに話題を大きくしたのが、労働者だけでなく、経営者までが摘発(しかも逮捕)された事です。これは今後、飲食店の経営者にとって非常に深刻な問題と言えるでしょう。
結論から言えば、ビザの問題は、資格に仕事を合わせるか、仕事に資格を合わせるかの2つしかありません。現実的に、外国人労働者のために多くの仕事を作り出すのは困難ですから、資格を変えるほかありません。
現在、外国人労働者が単純労働を行えるのは、2019年4月に導入された新しい在留資格である「特定技能」ビザだけです。したがって、「技術・人文知識・国際業務」ビザを持っている外国人労働者が単純労働をしている場合は、退職してもらうか、「特定技能」ビザに切り替えてもらうしかありません。
ただ、「特定技能」ビザは「永住権の在留期間に入らない」、「家族を呼べない」などのデメリットもあります。お店側としては、外国人労働者に現状を正しく伝え、お互いに納得できる結論を探るようにしましょう。
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