物を盗んだらいけないというのは常識です。これは即、犯罪という認識が多くの人にあり、知らなかったというケースはまずありません。
しかし、つまみ食いに関してはどうでしょうか。例えば、美味しそうな小麦色のパンがレジ前などにずらっと並んでいるとします。もし同僚から「一個ぐらいなら食べてもいいよね」と誘われた場合、明確に理由を示して断れるでしょうか。
そもそもつまみ食いは犯罪なのでしょうか。
今回はアルバイトが商品をつまみ食いしたら訴えられるかについてご説明します。
つまみ食いは犯罪
つまみ食いは犯罪です。同僚の誘いだったからといって、気軽に食べることは絶対にやめましょう。
会社(店)が管理し、所有する商品・廃棄品を、所有権者に無断で持ち出したり、食べてしまったりするアルバイト社員の行為は、犯罪行為にあたる可能性があります。業務上の地位を利用して、店の所有するものを奪う行為であるので、業務上横領罪にあたります。
業務上横領罪は、刑法253条で、10年以下の懲役が科せられる重大な犯罪です。
店の損害が大きいケースや、何度も注意指導をし、懲戒処分をしてもやめないような場合は、刑事罰の責任を負わせるため、捜査機関への被害届の提出、告訴が行われることもあるということを理解しましょう。
すぐに捨てる予定のものもだめ?
結論から申し上げますと、店側が既に捨てる予定の商品だったとしても、勝手に食べたり持ち帰ったりしてはいけません。
捨てる予定のものがだめな理由を不思議に思うかもしれませんが、これがなぜいけないかは、以下の場面を想像すればすぐに分かります。
商品を店の外のごみ箱に廃棄した後、廃棄品を待ち構えて毎日あさるアルバイト店員がいたら、店の評判はどうなるでしょうか。それを目撃した周囲の顧客、住民からの店の評判は著しく低下することでしょう。
店によっては就業規則で明確に禁じています。懲戒処分を受けることがあるので気を付けましょう。
ただ、捨てる予定のものですので財産的価値は低く、店がその廃棄品の所有権を放棄していると考えることもでき、横領などの犯罪にはならないケースもあります。
しかし、ゴミとして捨てられていたとしても、全く犯罪とはならないわけではないのです。ゴミを持ち去る行為は、捨てられたゴミを管理する行政の所有権を侵害するという点で、「占有離脱物横領罪」などの犯罪にあたる可能性があります。
民事上の責任
つまみ食いなどの犯罪には刑事罰だけでなく、損害賠償請求が科されることもあります。
店の商品など会社が管理している物品は、会社がその物品を支配しており、所有権を有していると考えられます。
つまり、会社が所有する商品・廃棄品などを勝手に食べたり持ち帰ったりすると、これは会社の財産の所有権を侵害していると言えます。そのため会社は、それらの行為を行ったアルバイトに対して、損害賠償請求することができるのです。
商品や廃棄品が、お客様に定価で販売されれば、定価分の売上を侵害されたことになります。
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まとめ
アルバイトが商品をつまみ食いしたら訴えられるかについてご説明しました。
つまみ食いは犯罪行為です。ただ同僚の中にはこのことを軽く考えている人や、知らない人もいると思われます。
店に許可なく、つまみ食いをしようとしている同僚がいたら、犯罪行為であるとしっかり伝えましょう。同僚のために、つまみ食いをやめさせることも時には必要かもしれません。