横浜フレンチ「エリゼ光」六川シェフの美食探訪記
今回は、栃木県の那須高原辺りを散策してみました。 道の駅を覗くと流石は那須高原。素晴らしいアスパラや様々な新鮮野菜だけでなく、イチゴや個性ある卵に乳製品と、まさに食材の宝庫といった印象でした。
その中で私が気になったのは、店内の片隅にひっそりと陳列されていたドライフルーツでした。イチゴにキウイ、さらにリンゴがミックスされ一袋に入ったドライフルーツです。
その素朴なドライフルーツを見て、「これはきっと地元の方が地元の素材を使って、ひっそりと作っているこだわりのドライフルーツに違いない」と思い、表示シールに記載されていた住所を訪ねてみることに致しました。
さて、シールに記載された住所を頼りに、近くまで来たつもりですが、ドライフルーツを作っているような工房は一向に見当たりません。そこで記載されていた電話番号に電話をかけてみました。
「今お近くに居ると思うんですが、どこにあるんでしょうか?」
すると思わぬ応えが。
「秋山製麺と書かれた看板のお店ですよ」
「製麺?」
それはなかなか見つけることが出来ないはずだ。まさか製麺所でドライフルーツを作っているなんて思いもしませんでしたので。
教えてもらった通りお店に入ると、やはり製麺所です。入り口に大きな石臼がおかれ、ソバやうどんが販売されておりました。
「あの、ここでドライフルーツを作っていますか?」
この製麺所のご主人の奥様である秋山 のぞみさんが登場し
「はい。私が作っております」と。
ついに作っている人にたどり着いたと、ほっとしました。このドライフルーツについて尋ねてみると、近くの畑で収穫されたイチゴやキウイフルーツ、リンゴを分けていただいて、秋山さんがドライフルーツを作っているとのことでした。
なるほど。私が思った通り、貴重な国産ドライフルーツであったのです。
皆さんもご存じのように、ドライフルーツとは乾燥させたフルーツです。フルーツは決して安い品物でないため、ドライフルーツの殆どが安価な輸入フルーツから作られております。中には日持ちするように砂糖漬けされたドライフルーツもありますが、国産純粋ドライフルーツはなかなかお目にかかれません。輸入フルーツが悪いと言う訳ではないのですが、長時間の輸送に耐えられるように完熟前に収穫されているので味が乗っておりません。
今回、私がこのドライフルーツを見て魅了されたのは、そのほどよい厚みにありました。なぜなら私は以前からドライフルーツを使って、食べられるオリジナルなフルーツティーを作りたくて色々なドライフルーツを探していたからです。
作り方は簡単で、200ccのお湯にドライフルーツ20gを入れ5分ほどふやかし、カップに盛りつければ、食べられるフルーツティーの完成です。これが冷たくして本当に美味しいのです。
フルーツの旨味が溶け出したティー、さらに旨味が凝縮されたフルーツ。この2つを同時に楽しめるフルーツティーをぜひお楽しみください。
さらにもう1つ、秋山さんのお店で見つけた珍しいものをご紹介させていただきます。
それは「巻きうどん」です。私は初めて目にしました。
秋山さんのお店は製麺所なので、挽きたての国産小麦粉を使って打ったうどんは珍しくありませんが、 どう見てもうどんには見えない巻きうどんにはビックリです!
「あの、これは本当にうどんですか?」
「このうどんは私たちの名物で“巻きうどん”と言います。麺状に切る前のうどんで、伸ばした生地を巻いてあるだけです。自分好みの麺の太さに切って楽しん食べられる美味しいうどんですよ」
「なるほど。製麺所ならではの斬新な発想ですね」
これでお店を訪れる皆様が購入していた理由が分かりました。生麺なのでサッと湯がいて冷水でぬめりを落とし、ざるうどんで召し上がれば何とも言えないのどごしがあります。
秋山製麺所:http://akiyamaseimen.com
ご紹介致しましたドライフルーツはこちらからご購入出来ます。
https://elysee.base.ec/
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筆者:六川光シェフのお店紹介
ナチュラル フランス料理 エリゼ光
神奈川県横浜市中区山手町246 カーネルスコーナー2F
045-621-4890
水曜日定休
Lunch 11:30~15:00(L.O.14:30)
Dinner 17:30~20:00(L.O.19:00)