修業時代、はじめての築地で
「魚がかわいそう」だと思った
厳しい修行を乗り越えて、7年目にはカウンターに立てるようになったという荻野氏。
そんな萩野氏が飲食業の素晴らしさを知った出来事とは?
「出前へ行ってこい、と言われまして。常連さんのお宅へ寿司を運びましたが、とても緊張していたんですね。玄関で寿司をひっくり返してしまったんです(笑)。『あっ、すいません!』と言ったら、そのお客様がまるで平常心で『うん、いいんだよ』って言ってくれたんです。もちろん親方には正直に話しましたけど、あぁ自分は、お客様に支えられているんだ! お客様から仕事も給料もいただいているんだ! って感動したことを今でもよく思い出すんです」
出典:厨房に立つ経営者
経営者として成長したきっかけは親方のひとこと
独立して自分の店を持って3年。
バブル景気がはじけて店を続けるかどうかの経営難に直面した。
その時に親方からかけられたひとこととは?
「親方に相談しに行ったんですね。そうしたら、こう言ってくれたんです。『ダメなら、いつでも職人に戻ればいいじゃないか?』って。そのひとことで、肩の力が抜けましたね。そうしたら、逆にいろいろと前向きなアイデアがたくさん浮かぶようになってきましてね、数字が追いついてくれるようになってきたんです。お客様からも親方からも、人からの言葉って、勇気づけられるものなんですよね」
出典:厨房に立つ経営者
自分をさらけ出して、スタッフとコミュニケーション
空手、音楽と多彩な趣味を持つ萩野氏。
若いスタッフにも仕事を楽しくするための趣味をもちなさいとアドバイスをする。
スタッフとのコミュニケーションの話題にもなっている。
「で、若いスタッフに言うんですよ。俺さぁ、今フルートでこんな壁にぶつかっているんだよって。先生に不器用だねって言われてショックなんだよって(笑)。すると皆、笑うんです。そっか、親方も不器用なんだ。それでも寿司で独立できるんだって思ってもらえれば、それでいいんじゃないでしょうか」
出典:厨房に立つ経営者
店舗情報
六本木 すし屋のいけ勘
住所:東京都港区六本木6-15-19
六本木アームス2F
電話:03-3401-0319
時間:月~金 18:00~23:00
土・祝 17:00~22:00
休日:日曜日、祝日の月曜日
交通:地下鉄各線六本木駅徒歩5分