時給を時間帯別に設定することや、深夜割増込みとすることはできるか
Q. ??飲食店でアルバイトをしたくて、求人情報を見ているところです。気がついたのですが、下の表のように、時間帯によって時給が異なる求人が結構あります。同じ仕事をしているのに、このように時間帯で時給が変わるのは、法律上問題ないのですか。また、「深夜割増を含む」と書いてあれば、別に深夜割増を加算しなくてもいいのですか。
出典:飲食人と飲食店の労務相談室
確かにこういった求人広告はよく見かけますね。忙しいから時給が高いのかなと思ったことはありますが、良し悪しでは考えたことありませんでした。どうなのでしょうか?
求人広告というものは、仕事を探している人から応募をしてもらうことが目的です。応募者の少ない時間帯には、時給を引き上げてでも、応募者が増やしたいと期待するのは、求人をしているお店としてはもっともな行為です。その逆もあり得るでしょう。また別の理由として、忙しい時間帯は時給を上げて、多くの人を集めたいと考えているかもしれません。このように、求人側と求職者側の需給バランスで、労働力の価格(=時給)が決まることは、むしろ当然とも言えます。
出典:飲食人と飲食店の労務相談室
もっともなことですね。これは法律上問題ないということでしょうか?
このような合理的な理由で時間帯別の時給を設定することに、法律上の規制は無いので、問題はありません。
出典:飲食人と飲食店の労務相談室
問題なしですね。次に深夜割増込みの表示についてはどうでしょうか?
夜の10時から翌朝5時までの深夜時間帯に労働させた場合、使用者は通常の賃金を25%増しで計算した深夜業の割増賃金を支払わなければなりません。しかし、行政通達により「深夜の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない」と示されています。
出典:飲食人と飲食店の労務相談室
「深夜割増込み」の表記も問題ないということですね。しかしこんな注意も必要なようです・・・
たとえば、夜10時まで時給1100円、夜10時以降が深夜割増を含めて時給1100円としている場合、実質的には割増賃金を支払っていないとみなされる可能性はあるでしょう。割増後に1100円ということは、1・25で割って出てくる880円が割増前の時給になります。この場合、お店の側は、なぜ10時以降は1100円から880円に時給が低くなるのか、合理的な理由を説明する責任があるでしょう。
出典:飲食人と飲食店の労務相談室
これは問題がありますよね。労働者が不利にならないようにきちんとごまかさずに深夜割増込みの金額を表記してもらいたいですね。