昔から梅干しと鰻を一緒に食べると腹痛を起こすため食い合わせが良くないと言われていますが、皆さんはその理由をご存じでしょうか?
実は相性のよい「梅と鰻」
実は、脂の多い鰻と塩分の多い梅干しを一緒に食べると、胃への負担が大きくなり下痢を起こすからと言われます。一方、鰻と梅干しは相性が良く、食欲が増進され食べ過ぎてしまうため腹痛を起こす、とも。実際にはいずれも科学的には原因を示せていないため、昔からの言い伝えとして残ったままになっている形です。
梅の産地である埼玉県越生町の鰻店「魚愛」には、各テーブルに梅干しがサービスで置かれています。梅干しには胃酸の分泌を促進する効果があり、とても相性が良いとのこと。高価な鰻をついつい食べ過ぎてしまうため、贅沢を戒めた迷信とも言われているそうです。
ほかにもある「食べ合わせ」の言い伝え
「天ぷらとスイカ」これは迷信ではなく、科学的にも根拠があります 。水分の多いスイカが、消化を助ける胃液を薄めてしまうため、消化に時間のかかる揚げ物と一緒に食べると消化不良を起こすことがあります。
「トロロとお茶」食べ合わせると「中気(脳卒中)を起こす」と言われます。とろろに含まれる滋養強壮成分アルギニンと、お茶に含まれるカフェインとの相乗効果により、血圧が上がり興奮してしまうことを恐れた言い伝えだと思われますが、科学的な根拠ははっきりしません。
「蟹とカキ」東洋医学では、両方とも体を冷やす食べ物とされています。栄養面で見ると、蟹に多く含まれる亜鉛は、柿に含まれるビタミンの吸収を促進する効果があり、相性は良いといえます。
逆にダメだったの!?NGな食べ合わせはコチラ。
栄養学の研究が進んだ現代では、栄養の面から避けたい組合せがわかってきています。よく見かける定番ともいえる組合せですが、避けたほうが良い意外な食べ合わせをご紹介します。
「しらすと大根おろし」定番ともいえる組合せですが、大根には、しらすに含まれるアミノ酸の吸収を阻害する成分が含まれています。しかし、大根のビタミンCには、しらすのカルシウムの吸収を促進する働きもあり、解決策としては大根おろしに酢を少量かければOKです。
「えびとレモン」えびに含まれる銅がレモンのビタミンCを酸化させるだけでなく、エビの成分とビタミンCの化学反応によって強い毒素を発生し、最悪の場合は中毒になる可能性もあります。
「合食禁(がっしょくきん)」と言われる古くからの食べ合わせの伝承は、科学的な検証は別として、まったく根拠がないわけではありません。成分分析などできない時代の先人たちの知恵に耳を傾ければ、学ぶことも多いのではないでしょうか!