その日本語は正しい? 接客中に注意したい言葉遣い
「ありがとうございます」「お待たせしました」「いらっしゃいませ」「かしこまりました」「恐れ入ります」
これらの言葉は、飲食店を始めとしたサービス業でよく聞くものです。接客用語の基本中の基本と言っても良いでしょう。
飲食業はお客様と面と向かい合ったサービス業ですので、直のコミュニケーションが多くなります。そこで正しい日本語での接客が求められますが、じつは間違った日本語を使って接客しているお店が少なくありません。
今回はぜひ注意したい接客用語についてご紹介します。
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「~になります」は物が変化したときに使う
「コーヒーになります」「ご注文の品になります」という言い回しを聞いたことがあるかと思います。実際に使ったことのあるという人もいるのではないでしょうか。
「なります」は、「小麦粉パンに『なる』」のように、物が変化したときに使うものです。そのため、何もないテーブルに料理などを提出するときに使うのは間違いと言えます。
「コーヒーでございます」「ご注文の品をお持ちいたしました」が正しい言い方です。
「よろしかった」は過去形になってしまう
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」という言い回しもレストランなどではよく聞きます。なんで「よろしかった」と過去形を使うのか、気になったことはありませんか?
この「よろしかった」は「明日の待ち合わせは○○時で良かったっけ?」のように、過去に取り決めた約束を再確認する際に使われる言葉から来ているという意見があります。
オーダーの再確認をする際はほんの数十秒前の過去を確認することになるので、ふさわしくありません。「ご注文は以上でよろしいですか?」と直しましょう。
会計時に注意したい言葉遣い
会計の際には「○○円お預かりします」「ちょうどお預かりします」という言葉が使われます。しかし、正しくは「○○円『から』お預かりします」と「ちょうどいただきます」です。
『から』の前には「~を、お客様」という言葉が隠れています。よってこの言葉の原型は「○○円(を、お客様)からお預かりします」となり、それが短縮して「○○円からお預かりします」となったのです。
また、おつりがない状態で「預かる」を使うのは誤用です。返すものがあるから預かるのであって、代金をちょうど貰った際は「頂戴する」のです。よって、「頂戴する」の丁寧語である「頂戴します」が正しいと言えます。
気になる人は細かいところまで気になる
飲食店で働いている皆様も、他所のお店にお客さんとしていくことがあると思います。その際に、ウェイターや従業員の言葉遣いが気になったということはありませんか?
また、お客さんの中には「正しい日本語で話さんかい!」と思っている方も少なからずいるものです。言葉とは時代とともに変化しますが、接客業では相手に失礼のないように聞こえることが重要となります。その際に、正しい日本語を知っていることは非常に便利です。少なくとも、正しい日本語を使って怒るお客様はまずいないでしょう。
皆様もぜひ正しい日本語を心がけ、お客さんが気持ちよく食事をしていけるような接客を目指しましょう。