ブロッコリーとカリフラワー
ブロッコリーとカリフラワーはどちらもヨーロッパ原産。アブラナ科に属するキャベツの仲間です。花のつぼみが発達したものを食用にするところも似ています。しかし、ブロッコリーは小さいつぼみをいっぱい付け、収穫せずに放っておくと黄色い花を咲かせます。これに対し、カリフラワーはつぼみの手前の状態が膨らんだもので、なかなか花にはなりません。
両者ともビタミン・ミネラル・食物繊維などを豊富に含んでいますが、その量はいずれもブロッコリーが多くなります。またブロッコリーには葉酸・ベータカロチンといった栄養素も多く含まれますので、ブロッコリーの方が優秀?と思われがちです。
しかし、劣性と思われたカリフラワーには偉大な長所があったのです。それは、「茹でてもビタミン成分が壊れない」ことです!ビタミンCの量はブロッコリーの方がより多く含んでいますが、ビタミンCが水に流出しやすい特徴があります。茹でてビタミンCの量を比べると、ブロッコリーとカリフラワーの間に大きな差はないのです。また、カリフラワーに含まれるメチルアリルトリスルフィドいう物質は、抗菌、抗がんなどの作用があると言われています。
ピーマンとパプリカ
ピーマンとパプリカはどちらも南米原産。ナス科に属するトウガラシの仲間です。唐辛子の中で辛くないものがピーマンと分類されます。ピーマンの中でも、緑色の「ピーマン」とそれ以外の色の「カラーピーマン」の種類があり、実はパプリカは5種類あるカラーピーマンのうちの一種類なのです。パプリカは肉厚で甘味が強い品種で、最初は緑色をしている実を完熟させて出荷します。
ちなみに、通常の緑色のピーマンも、完熟すると赤や黄色、オレンジ色に変化するのをご存知でしたか?一般的な緑色のピーマンは、青く未熟なうちに出荷しているという訳なんです!赤や黄色に完熟されたピーマンを「カラーピーマン」として販売されているのを、スーパーでもたまに見かけます。
両者ともビタミンC・カロテンなどを豊富に含んでいますが、その量は完熟されている分、いずれもパプリカの方が多くなります。逆に、ピーマンにしか含まれない栄養素もあります。青臭さのもととなっている「ピラジン」です。ピラジンには血液の流れを促進する作用があり、脳血栓や心筋梗塞を防いでくれる効果が期待できるそうです。実はピラジンは、通常捨ててしまう種にこそ多く含まれているので、ぜひ「種ごと調理」をおすすめします!ピラジンは熱にも強く、煮ても焼いても栄養価はそのままなのもうれしいポイントです。
紫キャベツとトレビス
サラダや、付け合せとしておしゃれ度や彩りをプラスしてくれる、独特の深い紫色。飲食人の皆さんなら、味の違いをご存知でしょうか。断面図をご覧いただくのが一番わかりやすいでしょう。
↑こちらが紫キャベツ 出典:大阪市中央卸売市場
↑こちらがトレビス 出典:大阪市中央卸売市場
実は紫キャベツはアブラナ科アブラナ属で、トレビスはキク科キクニガナ属と、まったく違う植物なのです。栄養的にはどちらも、色素成分である「アントシアニン」という血液の老化の原因となる活性酸素をおさえる成分の効果が注目されています。また、紫キャベツには特にビタミンCが豊富に含まれているのが特徴です。
トレビスの葉はキャベツよりやわらかく、ほろ苦い風味があります。イタリアではトレビスを「ラディッキオ」と呼びます。結球しない品種を軟白栽培した「ラディッキオ・タルティーボ」という品種があり、サクサクした風味で、日本でもイタリア料理店などで食べることが出来ます。