体内の亜鉛不足で、味覚障害になる
亜鉛は、たんぱく質の合成や骨の発育、細胞の新陳代謝に欠かせない必須ミネラルの一つで、人体のさまざまな機能を正常に保つ重要な役割をしています。亜鉛が不足すると体内で新しい細胞が作れなくなり、肌荒れ、舌に炎症ができる、抜け毛が多くなる、爪が折れやすくなる、目が疲れる、などの症状が出て、慢性的になると味覚障害をはじめ夜盲症、精力の減退、貧血などを引き起こすと言われています。
それではどんな人が亜鉛不足になりやすいのでしょうか。
まずは加工食品・インスタント食品を食べている人や、無理なダイエットをしていて偏った食事をしている人があげられます。加工食品・インスタント食品には、「ポリリン酸」や「フィチン酸」などの食品添加物が大量に含まれています。これらの添加物は亜鉛の吸収を妨げたり、排泄を促す作用があるため、体内の亜鉛が不足していまう、という訳なのです。また、血圧を下げる薬、抗生剤、アレルギーの薬など、亜鉛の吸収を阻害する副作用がある薬を服用している方も不足しがちになります。
味覚障害ってどんな症状がでるの?
味覚障害の自覚症状としてはどんなものがあるのでしょうか?厚生省による定義は次の通りです。
① 味覚減退:「味が薄くなった、味を感じにくい」
② 味覚消失・無味症:「全く味がしない」
③ 解離性味覚障害:「甘みだけがわからない」
④ 異味症・錯味症:「しょう油が苦く感じる」
⑤ 悪味症:「何を食べても嫌な味になる」
⑥ 味覚過敏:「味が濃く感じる」
⑦?自発性異常味覚:「口の中に何もないのに苦みや渋みを感じる」
⑧ 片側性味覚障害:一側のみの味覚障害
味覚障害がおこり、「甘み」「塩み」「酸味」「苦味」を感じられないことで、自然と味付けが濃くなります。このため食塩や糖分を多く摂りすぎることにつながり、高血圧などの生活習慣病などを引き起こす恐れも出てくるのです。
亜鉛を多く含む食品
亜鉛が多く含まれる食品といえば、何と言っても牡蠣が第一に挙げられます。厚生労働省の基準によると、亜鉛の推奨量は成人男性で12mg/日、成人女性では9mg/日とされています。摂取量から考えると、牡蠣は1日に5個食べれば満たされる、優秀な食品です。その他、煮干し、豚レバー、牛赤身肉、パルメザンチーズ、純ココアなども含有量が多く、積極的に食べたい食品ですね。
亜鉛欠乏症は、亜鉛サプリメントを飲むことでも治療できます。ただし、亜鉛は摂取し過ぎると嘔吐、下痢、頭痛、発熱、神経障害、肝臓障害、貧血などの重篤な副作用を引き起こす恐れがあります。このためサプリメントに頼らず、亜鉛を含む食材を日頃からバランスよく摂ることが大切になってきます。
それでは、亜鉛を多く含む食品を種類別にベスト5形式でご紹介します!
【魚介類】 ①牡蠣・煮干し
②たたみいわし ③スルメ ④ほや・カニ缶 ⑤わかさぎ佃煮
その他、干しエビ、たらこ、シャコ、かつおぶし、うなぎ 等
【肉類】 ①ビーフジャーキー
②豚レバー ③牛肉(赤身ほど多い) ④マトン ⑤鶏レバー
その他、ささみ、豚肩ロース 等
【豆類】 ①凍り豆腐
②えんどう豆(塩豆) ③きな粉 ④油揚げ ⑤納豆
その他、ゆでひよこ豆、がんもどき、ゆで大豆 等
【海藻類】 ①焼海苔
②乾燥ワカメ ③青のり ④ひじき ⑤あおさ
【穀物類】 ①アマランサス
②松の実 ③ごま ④カシューナッツ ⑤アーモンド
その他、焼き麩、オートミール、もち、赤飯、玄米 等
【その他】 ①パルメザンチーズ
②純ココア ③抹茶 ④卵黄 ⑤脱脂粉乳
その他、プロセスチーズ、カマンベールチーズ 等
また、ビタミンCを一緒に摂取することで、体内への吸収率が上がります。生牡蠣やステーキにレモンを絞るのは理屈に合っているんですね!